こんにちは。CData Software Japanエンジニアの浦邊です。 本記事ではAWS LambdaでCData JDBC Driverを使用する方法を紹介します。
今回は例としてCData Salesforce JDBC Driverを使用します。 Salesforceの製品情報が格納されている「Product2」オブジェクトを参照し、入力した製品コードから製品名を取得します。
CData Salesforce JDBC Driverのインストール
CData Software Japan社のCData Salesforce JDBC Driverダウンロードページにアクセスしてください。 ダウンロードページの[ダウンロード 評価版]をクリックすると必要事項入力画面が表示されます。
必要事項を入力し、[ダウンロード]をクリックするとCData Salesforce JDBC Driver評価版のインストーラがダウンロードされます。 ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとインストーラが起動しますので、ウィザードに従ってインストールしてください。 途中、ライセンスサーバーへのオンラインアクティベーションが行われるためネットワーク環境に接続されている必要があります。 ライセンスサーバにアクセス出来ないネットワーク環境の場合は、CData Software Japan テクニカルサポートまでお問い合わせください。
テストシナリオ
データ取得対象の「Product2」オブジェクトの内容を以下に示します。 今回のテストではLambda関数に製品コード「GC3060」を入力し、「Product2」を参照してこのコードに該当する製品名「GenWatt Propane 1500kW」を取得します。
テストプログラム
Lambdaの関数として動作させるJavaプログラムを作成します。 テストプログラムではSalesforceの製品データが格納されている「Product2」オブジェクトを参照し、関数の入力値として指定した製品コードをもとに製品名を取得します。
また、今回は依存ライブラリの取得とパッケージングにMavenを使用します。 作成したJavaコード(GetProductName.java)とpom.xmlを以下に載せます。
Javaコード
テストプログラムは以下の3つのステップで構成されています。
- アカウント情報を設定しSalesforceに接続
- データを取得するクエリを発行
- 取得したデータを出力オブジェクトに設定
Lambda上でのライセンス認証にはRTK(ランタイムキー)が必要になります。 評価版のRTKはCDataサポートデスクまでお問い合わせください。
package test; import java.sql.Connection; import java.sql.DriverManager; import java.sql.PreparedStatement; import java.sql.ResultSet; import java.util.HashMap; import java.util.Map; import java.util.Properties; import com.amazonaws.services.lambda.runtime.Context; import com.amazonaws.services.lambda.runtime.RequestHandler; public class GetProductName implements RequestHandler<Map<String, Object>, Map<String, Object>> { public Map<String, Object> handleRequest(Map<String, Object> input, Context context) { Map<String, Object> output = new HashMap<String, Object>(); try { Class.forName("cdata.jdbc.salesforce.SalesforceDriver"); // 1. 接続プロパティを指定して接続 Properties prop = new Properties(); prop.setProperty("User","your-user-name"); prop.setProperty("Password","your-password"); prop.setProperty("SecurityToken","your-security-token"); prop.setProperty("RTK", "your-rtk"); // RTKを指定 Connection conn = DriverManager.getConnection("jdbc:salesforce:",prop); // 2. Product2オブジェクトを参照し、製品コードをもと製品名を取得するクエリを実行 String query = "Select * from Product2 where ProductCode = ? "; PreparedStatement stat = conn.prepareStatement(query); // 製品コードは入力オブジェクト(input)から取得 stat.setString(1, (String)input.get("ProductCode")); stat.execute(); ResultSet rs=stat.getResultSet(); if(rs.next()) { // 3. 取得した製品名を出力オブジェクト(output)に登録 output.put("Name",rs.getString("Name")); } } catch (Exception e) { e.printStackTrace(); } output.put("input", input); output.put("context", context); return output; } }
pom.xml
<project xmlns="http://maven.apache.org/POM/4.0.0" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:schemaLocation="http://maven.apache.org/POM/4.0.0 http://maven.apache.org/maven-v4_0_0.xsd"> <modelVersion>4.0.0</modelVersion> <groupId>lambda-test-01</groupId> <artifactId>test</artifactId> <packaging>jar</packaging> <version>0.0.1-SNAPSHOT</version> <dependencyManagement> <dependencies> <dependency> <groupId>com.amazonaws</groupId> <artifactId>aws-java-sdk-bom</artifactId> <version>1.11.156</version> <type>pom</type> <scope>import</scope> </dependency> </dependencies> </dependencyManagement> <dependencies> <dependency> <groupId>com.amazonaws</groupId> <artifactId>aws-java-sdk-s3</artifactId> </dependency> <dependency> <groupId>com.amazonaws</groupId> <artifactId>aws-lambda-java-core</artifactId> <version>1.1.0</version> </dependency> <dependency> <groupId>com.amazonaws</groupId> <artifactId>aws-lambda-java-events</artifactId> <version>1.3.0</version> </dependency> <dependency> <groupId>jdbc.cdata</groupId> <artifactId>cdata-salesforce</artifactId> <version>20.0.7632</version> </dependency> </dependencies> <build> <plugins> <plugin> <groupId>org.apache.maven.plugins</groupId> <artifactId>maven-shade-plugin</artifactId> <version>3.0.0</version> <executions> <execution> <phase>package</phase> <goals> <goal>shade</goal> </goals> </execution> </executions> </plugin> </plugins> </build> </project>
デプロイパッケージの作成
LambdaではJavaコードと依存関係を1つのjarファイルにまとめたものをデプロイパッケージとしてアップロードします。
リポジトリへのCData Driverの追加
デプロイパッケージにCData JDBC Driverを含めるために、ローカルにインストールされているCData JDBC Driverのjarをリポジトリに追加します。 以下のコマンドを実行してください。
mvn install:install-file -Dfile=<ドライバのファイルパス> -DgroupId=<Group Id> -DartifactId=<Artifact Id> -Dversion=<バージョン> -Dpackaging="jar" -DgeneratePom=true
実行例:
mvn install:install-file -Dfile="C:\Program Files\CData\CData JDBC Driver for Salesforce 2020J\lib\cdata.jdbc.salesforce.jar" -DgroupId="jdbc.cdata" -DartifactId="cdata-salesforce" -Dversion="20.0.7632" -Dpackaging="jar" -DgeneratePom=true
jarの作成
以下のコマンドでデプロイパッケージのjarを作成します。
mvn package
パッケージの作成に成功するとTargetフォルダにjarファイルが生成されます。
Lambda関数の作成と実行
AWS Lambdaのトップから[関数を作成]をクリックします。
[関数の作成]画面で関数の設定を行います。 今回は自前のコードを使用するため、オプションから[一から作成]を選択します。 [関数名]に適当な関数名を指定し、[ランタイム]にJava(バージョンは任意)を選択します。
設定が完了したら右下の[関数を作成]ボタンをクリックしてください。
jarパッケージのアップロード
[関数コード]セクションから[アクション]メニューを開き[.zipまたはjarファイルをアップロード]を選択します。
[アップロード]ボタンをクリックするとファイル選択画面が開きます。 作成したデプロイパッケージのjarファイルを選択し[保存]をクリックします。
ハンドラの指定
[Runtime settings]の[Edit]をクリックして[ランタイム設定]画面を開きます。 [ハンドラ]に作成したデプロイパッケージのクラス名とメソッド名を入力し[保存]をクリックします。
イベントの作成
続いてテストイベントを作成します。 テストイベントが選択されていない状態で[テスト]をクリックすると[テストイベントの設定]ダイアログが表示されます。
[イベント名]に任意の名前を入力し、関数の入力値を指定します。 今回は製品コード(ProductCode)を指定します。
入力が完了したら[作成]ボタンをクリックしてください。
関数の実行
作成したテストイベントが選択されていることを確認し[テスト]をクリックしてください。
実行が完了すると以下のように結果が表示されます。 指定した製品コード「GC3060」に該当する製品名「GenWatt Propane 1500kW」が取得できていることが確認できました。
タイムアウトエラーの対応
ドライバによる外部サービスへの接続には時間がかかる場合があります。 このとき以下のようにTask Timed Outのエラーが発生して実行に失敗することがあります。
このエラーが発生した際にはタイムアウトの時間を変更してください。
関数の[基本設定]セクションの[編集]をクリックし、[基本設定の編集]画面を開きます。 [タイムアウト]の時間を1分など長い時間に変更し、[保存]をクリックしてください。
おわりに
本記事ではAWS LambdaでCData JDBC Driverを使う方法を紹介しました。 CDataドライバを使うことでSalesforce, kintone, NetSuiteなど様々なクラウドサービスと連携する関数を効率的に作成することができます。 Lambdaでのクラウドサービス連携をご検討の方はぜひお試しください。