CData Software Blog

クラウド連携のCData Software の技術ブログです。

なぜデータ連携ツールに「安定的稼働」よりも「接続先の多様さ・アダプタの種類の多さ」が求められてきているのか?

こんにちは。CDataリードエンジニアの杉本です。本日はちょっと面白い記事を見かけたので紹介したいと思います。

日経BPコンサルティングにて、毎年公開されている「データ連携に関するアンケート調査」という記事です。

consult.nikkeibp.co.jp

データ連携ツール、EAI・ETL(ELT)、今ならiPaaSの分野も含まれるかと思いますが、それらのツールに対して、日本のユーザーの導入状況はどうなのか? 必要性や、何に魅力を感じて製品を選択しているのか? というレポートです。

「データ連携ツールの必要性を感じている企業」が2018年から2019年にかけて、33.8%から37%に伸びていたりと、なかなか興味深い数字が多く載っています。

注目したポイント

そんなレポートの中で私が何よりも注目したのは、製品を選定する際の重要項目(図5 EAIをはじめとしたデータ連携ツール選定の重視ポイント(複数選択式))です。

ここでは、接続先の多様さやGUIのわかりやすさなど、12項目で、製品を導入した企業、もしくは導入しようとしている企業が重視しているポイントを複数票投票する形でグラフにしています。

2019年:製品を選定する際の重視項目

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おそらくパット見では、「接続先の多様さと安定的稼働、GUIのわかりやすさが求められているんだなー」という印象を抱くのではないかなと思います。

実はこの数字の面白い部分は、2018年のものと比較すると見えてきます。2019年の記事では、2018年との比較が載っていないので、とりあえず2018年のグラフを引っ張ってきました。

2018年:製品を選定する際の重視項目

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ただ、このように並べても少しわかりづらいですよね。ということで、私の方で「重視したポイント」の部分を2018年と2019年で一つのグラフにまとめてみました。

安定的な稼働やパフォーマンスの質よりも、GUIのわかりやすさや、接続先の多様さと国産製品への接続力が問われ始めた

そして出来上がったのが以下の表です。

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どうでしょうか?

私がまず驚いたことは、データ連携ツールで当たり前のように求められるであろう、「安定的な稼働」や「パフォーマンスの質」が下がっている点です。

そして、それに引き換えのように、GUIのわかりやすさと共に、前年も大きく求められていた接続先の多様さと国産製品との連携が大きく求められてきたという点。

GUIのわかりやすさは、SaaS・WebベースでGUIが見やすいサービスが増えてきて、自ずとEAIなどのデータ連携ツールにも、当たり前のようにそのような素養が求められるようになったからではないかと思います。

ただ、さらに接続先の多様さと国産製品との連携が求められているのには、どのような背景が関連しているのでしょうか? 次の章で私なりの考察をまとめてみました。

接続先の多様さ:グローバルで今なお増え続ける API

一つは依然として日々公開されているAPIの数が留まることを知らない、という点があげられるでしょう。

以下はAPIに関する情報サイトで最も有名なProgrammableWebに登録されているAPIの数をグラフ化したものです。 おそらく世界でもトップレベルで使われているであろうTwitter APIが公開されたのが「2012年」ですが、そこから7年間で17,000 APIも増加しているのですから、驚異的です。

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もちろんこれは、toB以外のtoCやオープンデータ、ゲームなど様々なAPIが集計された結果ではありますが、それだけ接続先として存在するAPIが多種多様かつ大変な数になっていて、各種データソースが様々な場所に散らばっている、ということはイメージできるのではないでしょうか。

国産製品との連携:なぜ国産製品への接続力が問われているのか?

続いて、国産クラウドサービスへの接続性です。

少し全体像を見定めるために、Boxil が公開している国内SaaS市場の規模推移を見てみると、どんどんパッケージよりもSaaS化率があがっていることがひと目でわかります。

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https://boxil.jp/mag/a5170/

また、Boxilのレポートには1社あたりの利用クラウドサービスも数十製品あるのではないか? というトピックもあります。

それにくわえて、国産製品・クラウドサービスの隆盛も見逃せません。今年はSansan、Chatworkなどが上場を果たしたニュースや、SmartHRなどが大型の資金調達を果たしたことも目に新しいトピックかと思います。一種のSaaSバブルと言っても過言ではないでしょう。

資金調達傾向を見てもほぼ右肩あがりで、2019年では2013年からおよそ6倍の資金調達が行われています。

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SaaS REPORT 2019 -資金調達傾向からみるSaaSスタートアップの現在地と未来-

そのような国産SaaSサービスでもAPIが存在することがほぼ当たり前になってきました。むしろ、存在しなければ、なぜ提供していないのか? 提供していなければ検討に値しない、といった状況にもあるのではないでしょうか。

会計freeeなども大きくAPIエコシステム構築のための戦略に舵を切っています。

corp.freee.co.jp

そういったAPI増加、企業内のSaaS化製品の利用率、国産SaaSの隆盛といった外的要因から、今回のアンケート結果のような状況が導き出されたのではないでしょうか? 

CData でも3年間で接続先を「80」→「150」に倍増

翻って考えてみると、私の所属するCDataでもこの大きな流れの影響が確実にあらわれています。

以下はCDataが日本で本格的に活動をはじめた2017年の提案書の抜粋です。この時はまだSalesforceやNetsuite・Dynamics CRMなどのグローバルで有名なサービスを中心とした80種類ほどの接続先でした。

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それが、2019年では、データソースが「150」を超え、さらに国産SaaSサービスへの接続ラインナップとしても kitnoneやPCA、Moneyforward、CloudSign、YahooShopping、Sansan、スマレジなど大幅に拡充されてきました。

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日本で協力にデータコネクティビティを高めていく上で、国産クラウドサービスへの対応は必須であると考えた上での結果です。

さらにこれらのコネクターをエンドユーザーだけでなく、EAIなどのツールベンダー・サービスベンダーにも提供し、各社製品の接続先の多様化・コネクティビティの向上をサポートしています。

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でも、接続先の多様さが競争力になる時代はまだ始まったばかりではないか?

ざっと、接続先の多様さが求められる要因と、私の会社における取り組みの形を取り上げてみました。

ただ、そうは言っても、Boxilのレポートを参照するとまだ国内SaaS市場規模はパッケージに比べて、「30%台」なのです。

まだ、70%もの領域にSaaSクラウドサービス化の余地が眠っていて、それらも他サービスとの接続性・コネクティビティを求めることになる、と考えるとどうでしょうか? まだこの流れは始まったばかりと捉えることができるでしょう。

接続先のサービスが50、60で喜んでいる場合じゃありません。まだまだユーザーには「7割もの圧倒的な繋がらなさ」が潜んでいると考えて間違いではないでしょう。

そう考えると、ひたすらAPI検証を行っている私個人的としても、とてもワクワクしてきますね!

是非クラウドサービス・データ連携ツール・エンドユーザーの皆さんと共に、さらにこのデータ連携の時代をドライブしていきたいな! と思う次第です。

ちなみに、CDataでは、こんなクラウドサービスにつなぎたい、このツールで連携したい、といった要望・質問を随時募集しています。

要望を貰えれば、時間の許す限り無償で検証を行い、以下のような検証結果レポートとして接続方法や連携方法をお伝えします!

www.cdatablog.jp

qiita.com